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原始村ジパング物語【第一話】

Photo昔昔のその昔、ここは広い海に囲まれたある島の中、島の真ん中を流れる大きな川の中州になっている場所に、「ジパング村」という小さな村がありました。中州にある村なので、その土地は狭く、村人が住む住居もウサギ小屋程度の大きさでしたが、村人たちは働き者で、狩猟で取ってきた獲物や、小さな畑で取れた農作物は、村役場の「カンリョー」という役職の人々が上手に分配し、人々は島の中でも豊かな暮らしをしていました。

そのように幸せに暮らすジパング村を、川向こうの米村は憎憎しく思っていました。何故なら、川の反対向こうには、乱暴者の露村や中村があり、ジパング村の中洲を分捕ろうとしていましたが、ジパング村のいたる所に米村からもらった「アンポ」という護摩札が貼ってあり、その「アンポ」の護摩札の効き目が絶大で、露村も中村も、ジパング村に攻め入ることができなかったのです。ですから、米村の村長は、ジパング村はもっと米村に貢物をするべきだと考えていました。実際に、米村の村長は大勢の行商人の頭領を引き連れて頻繁にジパング村にやってきて、「シジョーカイホー」というお土産を要求しました。

ある日、ジパング村で島の珍獣「バブル」の赤ちゃんが発見されました。珍獣「バブル」は、人々を幸せにすると信じられていたので、村の真ん中の広場に飼育所をつくり、大事に育てられました。特に、「ギンコー」族の人々は朝昼晩と熱心にエサをやったので、珍獣「バブル」は瞬く間に成長して大きくなっていきました。とうとう珍獣「バブル」は、村で一番大きい檻にも入りきらなくなったため、村役場の人々は「フドーサンキセイ」や「コーテーブアイ」などの立て札を立てて、「バブル」にエサをやることを禁止しました。エサをもらえなくなった珍獣「バブル」はどんどん痩せ衰えて行きました。そして、ある朝、管理人が飼育檻から「バブル」がいなくなっていることを発見しました。恐らく、痩せてしまったために檻の間を通り抜け、海に帰って行ったようです。ただ、不思議なことに、その朝、すべての「ギンコー」族の人々の家の屋根に、「バブル」の大きなフンが残されていました。きっと、エサを一杯もらったお礼に「バブル」が義理堅くフンを残していったものと思われ、人々はそのフンを「フリョーサイケン」と呼んで崇めました。

ところが、この「フリョーサイケン」というフンの後始末が厄介で、あまりにも重くて硬いので、人々の手では動かせず、雨が降っても流されず、とうとう小さな「ギンコー」族の家はその重さに耐えかねてつぶれていってしまいました。村議会では、箸元リュータロー村長に続いて尾撫地ケイゾー村長がこの「フリョーサイケン」の処理を手がけましたが上手くいきません。尾撫地村長は、とうとう任期半ばで死んでしまいました。その後、選挙の手続きを経ないで「ミッシツ」という小部屋で村の実力者だけで藻利ヨシローというデブで無能な男を村長にしたために、とうとう村人たちは怒り出してしまいました。そこに、鯉墨ジュンイチローという変わり者が村長選挙に立候補し、とうとう村長になりました。

この鯉墨という男は、昔から変人として村では知られた存在でしたが、実は井伊縞イサオという怪しい黒魔術の使い手の一番弟子で、早速「コーゾーカイカク」という黒魔術を村人たちにかけ始めました。この「カイカク」という黒魔術は、今忍耐してお布施をいっぱい出せば、将来お金持ちになって幸せになれる、という教えで、何だかよくある詐欺話とそっくりでしたが、鯉墨村長の演技が上手いので、「B層」という村人たちはすっかり信じてしまいました。そして、鯉墨村長に逆らった人々は、「テーコーセイリョク」という焼印を押され、村八分にされてしまいました。

一方、鯉墨村長という人物は元来の怠け者だったので、村役場の仕事は岳那珂というお坊さんに丸投げしていました。この岳那珂というお坊さんは、昔米村に住んでいて、「市場原理経」という宗教に陶酔していましたから、さっそく村役場で「シジョーゲンリ」「シジョーゲンリ」というお経を唱え始めました。こうして「カイカク」という黒魔術と「シジョーゲンリ」という宗教は表裏一体となり、ジパング村の様相は日に日に変わって行きました。狩猟で獲れた獲物は獲ってきた人にたくさん与えられ、獲れなかった人へは配られなくなったため、体格が良くて健康で力のある人々はどんどん逞しくなってより強くなりましたが、病弱な人や年老いた人は配給が減り、ついに飢えて死んでしまう人まで出始めました。このように困窮した人々の資産を米村から来た「ガイシ」という行商人が安く買い叩いて行き、よそで高く売って大儲けしたので、鯉墨村長は米村の仏守村長とたいへん仲良くなりました。

いつしか、ジパング村の中央には「ヒルズ」と呼ばれる高い楼閣がそびえ立ち、毎晩ドンチャン騒ぎが繰り広げられる一方、村の周辺部は朽ちかけたボロ小屋がひしめき、人々は貧しさに耐えて暮らすようになりました。その後も、鯉墨村長から替った阿部シンゾー村長は「カイカク」という黒魔術を使い続け、お布施の額をどんどん高くし、配給をどんどん減らしていますが、この阿部村長は鯉墨前村長ほど黒魔術が上手く使えないので、最近は村人たちもタネとシカケに気がつき始めたようです。

これは、昔昔その昔、海に囲まれたある島の中の、小さなジパング村の物語です。

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