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原始村ジパング物語【第二話】

Photo_2 これは、昔昔その昔、海に囲まれたある島の中の、小さなジパング村の物語です。

この島では、いくつかの村が共存していて、村と村の間の物々交換も盛んに行われていました。その際、物々交換の不便を補うために、「カヘイ」という貝殻がモノの売り買いに使われていました。米村では「ドル貝」、欧村では「ユーロ貝」、ジパング村では「エン貝」が使われ、それぞれの貝の価値は島の貴重資源である「ゴールド」との交換で保証されていました。

ところがある日、米村の肉損村長が、ドル貝とゴールドの交換を止める、と言い出しました。米村ではドル貝がたくさん取れるので、その貝殻をどんどん「カヘイ」として使った結果、大量のドル貝の価値を保証するだけの「ゴールド」の量が足りなくなってしまったのです。

米村は島の中でも一番大きな村なので、どこの村にとっても行商相手として重要な存在でしたから、島の各村長が集まって相談した結果、「米村が責任を持ってドル貝の価値を保証するなら」という条件付きで、このワガママを認めました。

米村の人々は大食いなので、よその村々から多くの食料を買っていました。とくにジパング村で作られる食料は美味しいので、たくさん買付けていました。ジパング村には売上代金のドル貝が山と積もり、自分たちの持つべきエン貝の量は減ってしまいました。ジパング村の人々は、米村にドル貝とエン貝を取り替えて欲しいと言いましたが、米村の人は「それなら、エン貝1枚とドル貝10枚なら交換しよう」と言いました。

もともとエン貝とドル貝は1対1で取引したので、ここでエン貝とドル貝を1対10で交換すると大損してしまいます。それに、エン貝とドル貝の交換比率を変えると、連動してユーロ貝とドル貝の交換比率も変わってしまうので、島の貝殻の価値がメチャクチャになってしまいます。結局、仕方がないので、ジパング村の人々は、手持ちのドル貝と米村の「コクサイ」という干し肉と交換することにしました。「コクサイ」は米村に預けておくと、毎年少し増やしてもらえるのです。

ジパング村の人々は働き者なので、毎日一生懸命働いては、その収穫物を米村に売り、もらったドル貝は、せっせと米村の「コクサイ」と交換しました。でも、村のエン貝は全然増えないので、働いても働いてもお財布の中のエン貝は増えません。財布の中のエン貝が増えないとモノが買えないので、村の消費は停滞します。商人たちはモノの値段を下げないと売れないので、あまり儲からなくなりました。子供を集めて勉強を教える寺子屋では、「ホイクリョウ」や「キュウショクヒ」を払えない親が増えました。

ジパング村の村役場では、「記録的な好景気だ」といい、米村にモノを売る行商人に頑張ってもらって村を豊かにする「アゲシオ路線だ!」とマイクで広報していますが、村人たちはちっとも豊かさなんか感じない、と不満を募らせています。

一方の米村では、ジパング村から食料を買っても買っても、払ったドル貝は戻ってくるので、財布の中のドル貝が減りません。そこで、さらに多くのものを買って買って買いまくっています。あんまりたくさん食べるので、みんな太ってしまって「メタボ」という病気になる人が増えました。人々はあんまり働かなくても満足な暮らしができるので、しょっちゅうバカンスに出かけて贅沢に暮らしています。

これは、昔昔その昔、海に囲まれたある島の中の、小さなジパング村の物語です。

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