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どろろ~官僚妖怪を退治せよ!~

Dororo_02 「どろろ」は、1960年代の少年漫画雑誌で連載された手塚治虫の名作で、親の出世欲のために妖怪に体の48ヶ所を奪われて生まれた不遇の少年「百鬼丸」が、少年盗賊「どろろ」と一緒に妖怪を退治して、失った自分の体を取り戻していく物語だ。今年1月には、実写版劇場映画としてリメイクされ、柴咲コウが男の子役を演じて評判となった。
もし、百鬼丸とどろろが現代に現れたら、日本に巣食う妖怪たちを退治してくれるだろうか・・・

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どろろ「百鬼丸のあにき、この時代にも恐ろしい妖怪がいるって、本当かい?」
百鬼丸「ああ、どろろ。ここには、国民の税金や、大切な年金、貯金を食い物にする恐ろしい妖怪がいるんだ。」
どろろ「ええ!とんでもない妖怪だな。いったい、それは何て妖怪なんだい?」
百鬼丸「まず、財務省(旧大蔵省)の官僚っていう妖怪だ。国民の税金を集めて、とんでもない粉飾をしてこの国の財政をめちゃくちゃにしているヤツだ。」

日本の財政は、戦争の経験から財政のシビリアンコントロールを強めるために、憲法で「財政の国会中心主義」(83条)をうたい、税金だけで国家の財政をまかなう「租税国家」を目指してきた。そして、日本は均衡財政主義を堅持し、財政規律を守り、赤字国債の発行を禁止してきた。
しかし、1964年の東京オリンピックによる好景気の反動で不況に陥り、歳入に生じた欠陥を埋めるため「昭和40年度における財政処理の特別措置に関する法律」が公布施行され、1965年度かぎりの臨時特別措置として、「赤字国債」を発行することになった。(「特措法」というのは、「テロ特措法」や「イラク特措法」しかりで、なし崩し的に破られるものなのだ。)
1975年からは10年国債の大量発行が始まり、したがって1985年からは赤字国債の償還が始まるはずだった。しかし、1984年に「昭和59年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置等に関する法律」(またも「特措法」!)によって国債の償還期間は10年から60年に延長された。
つまり、最初から「60年国債」(購入しても、お金に替えられるのは60年後)にすると買う人など居ないので、5年国債や10年国債を販売し、その返済には60年償還ルールというおかしな規則を作って償還期日になっても全額の6分の1だけ(10年国債の場合)を現金で返済し、残りの6分の5は赤字補填のための借換債を発行してまかなう、という借金の「飛ばし」で国の財政をまかなうようになった。(この手法は民間では粉飾となるため禁止されている。)財務省(大蔵省)は、国会や国民に十分な情報開示もしないまま、憲法と財政法を無視して「借換債」という償還の先送りを行なってきたわけだ。
結局、日本は借換債(借金)を返済するために、また新たな借換債(借金)を発行するという借金地獄にはまってしまい、サラ金地獄に陥った人が必ず行き着くように、「破綻」に向かって確実に突き進んでいる。
財務省のホームページの2007年3月末のデータによると、国債残高 674兆円 借入金 59兆円 政府短期証券 101兆円合計 834兆円 (政府保証債務 50兆円)、地方財政を加えると、2007年3月時点での「国の借金」は、およそ1074兆円になる。)

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Dororo_03 どろろ「ひでぇ話だな。30年に渡って国の財政を粉飾してきたってわけかい。そんな妖怪は、すぐに退治しなくちゃダメだ、あにき。」
百鬼丸「いま、この妖怪は消費税を上げて、もっと国民からお金を巻き上げて、自分たちが作ってきた借金の穴埋めをしようとしているんだ。この“官僚”って妖怪と一緒になって、国民の財産を食いつぶしているのが、特殊法人っていう別の化け物だ。こいつらは、国会の監視が届かない法律の陰に隠れて、どんどん増殖していく性質の悪い化け物なんだ。」
どろろ「そんな恐ろしい化け物もいるのかい!?」

特殊法人とは、特別な法律に基づいて、民間会社では出来ないような採算性の低い事業、困難な事業で公共性の高い事業を行なう法人と定義される。たとえば、高速道路を管理する日本道路公団(JH)、公共放送の日本放送協会(NHK)、低金利の住宅ローンを取り扱う住宅金融公庫などが知られている。(今は、橋本内閣の行政改革で、独立行政法人に改組されたものも多い。)
特殊法人の活動資金は、政府から補助金をもらったり、あるいは郵便貯金や年金基金から借金(財政投融資)して調達し、事業や公共的なサービスを行って、その利益で活動を続けることになっている。しかし、利益を生んで活動している法人はほとんどなく、多くの法人は借金(損失)を増やし続けている状態にある。
利益を生み出せない特殊法人が存続できるのは、公務員が定年後に天下りし、あまり仕事をしないでたくさんの給料や退職金をもらうために廃止させたくない、という理由だ。
官僚の世界では、同期の者が次官に昇進するとその他の同期は全員が退官する。年齢はだいたい50代前半である。彼らはその若さで退官し、特殊法人にも天下る。彼らの天下りは一度だけでは終わらずに何回か繰り返す。官僚は退職後、およそ20年間は出身官庁から面倒を見て貰えるという。
さらに性質が悪いことは、特殊法人が子会社を増やしてグループ会社をつくり、特殊法人の事業運営をサポートさせている。というと聞こえはいいが、要は民間企業にできることも、わざわざ子会社に独占させて利益を得ているわけだ。そして、これら子会社が得る利益は、子会社がそのまま貯めこんで、特殊法人の借金返済に使われることはない。その結果その子会社は高い給料、退職金を維持することができ、安定した天下り先が増えることになる。
国民の貯蓄である郵便貯金や年金の積立金は、このような特別法人によって食いつぶされ、政府は公表しないが、ほとんど無くなっているのが実情のようだ。

日医総研(日本医師会総合政策研究機構)が2002年4月に発表した『公的年金積立金の運用実態の研究』という報告書では、年金積立金147兆円のうち、これまでその全額が財政投融資にまわっていて、そのうち87.7兆円が不良債権化していると結論づけている。
日本経団連など財界のシンクタンクである日本経済調査協議会が2003年に分析したところによると、特殊法人等の準政府部門が抱える借金は400兆円になるという。
2005年1月、経済財政諮問会議が行われ、その席で政府は、「構造改革が進まなければ」日本は5年後に財政破綻すると発表した。

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Dororo_01 どろろ「とんでもねぇヤツらだな。大切な国民の貯金や年金を食いつぶすなんて。」
百鬼丸「2001年頃から、さすがにこの化け物を放っておくわけにはいかず、民営化したり廃止しようとしているんだが、何だかんだ理屈をつけて、しぶとく抵抗しているんだ。」
どろろ「でも、官僚にしても、特殊法人にしても、政府が管理監督しているんだろう?何で、この国の政府はこんなひどいこと許しているんだい?」
百鬼丸「この国の政府は、自民党が60年も政権を維持していて、この自民党がすっかりこの妖怪どもに取り込まれてしまっているんだよ。」

日本の財政制度は、各省庁が所管する「特別会計」が中心になっている。
年間予算260兆円のうち「一般会計予算」として審議されるのは80兆円で、それも結局ほとんどは特別会計に繰り入れられ、省庁による執行計画に添って使われるため、予算は事実上、憲法の定めるように国会で決められているとはいえない。「予算」支出の中身は省庁(官僚)が与党の指示や族議員の意向などを考慮して決めるようになっているわけだ。
いったん特別会計のトンネルをくぐった公共事業費、社会保障費などは、大部分が補助金の形で地方公共団体や特殊法人、公益法人などを通して業者へと流れていく。それらの経路はすべて何らかの形で政治家とつながっていて、政治献金や政官業の一大利権体制の中に消えていく。
政治家と官僚の癒着は、60年の長い月日をかけて頑丈な繋がりとなり、税金を私物化するための仕組みを作ってきた。「行政改革」は、官僚にとって自らの人生設計(定年後の天下り)を危うくするばかりか、自民党政治家にとっても自らの利権を失うことにつながりかねず、口で言うほど積極的になれるわけがないのだ。

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どろろ「こんなとんでもねぇ化け物どもは、早く退治しなきゃだめじゃないか。なぜ、この時代の人たちは、力を合わせてこの妖怪どもをやっつけないんだい?」
百鬼丸「こいつらはずる賢くって、財政の仕組みは複雑にしたり、財務状況は公表しなかったり、あれこれ理屈をつけて国民の目を外らしてきたんだ。でも、やっと国民もこの妖怪どもの退治の仕方が分かったようだ。」
どろろ「そいつはすげぇや。で、どうすんだい?その退治方法って。」
百鬼丸「この時代には、選挙ってやつがあるんだ。今度の選挙で国民が皆んな投票所に行って、世の中が良くなるように考えて投票すれば、この妖怪どもは滅ぼされるはずだ。」
どろろ「そうか。それで、この時代の人たちも、いままで奪われてきた「幸せ」を取り返せるんだね、あにき。」

【参考】
日本人が知らない恐るべき真実-日本は官僚国家-
独立行政法人の実態-2005年度決算-(「日医総研ワーキングペーパー」)

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コメント

素敵なエントリーを読ませてもらって
ありがとうございます

妖怪どもを選挙民が滅ぼす日が早く来るよう
どろろと百鬼丸に
妖怪どもの手口をもっと解説してほしい!

投稿: なごなぐ | 2007年9月30日 (日) 15時46分

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