緊急投稿 民主党小沢代表辞任
民主党の小沢代表が代表辞任の意向を表明した。
「バックサイドオブザワールド」の目的である世界の裏側の構造を描き出す目的で、「文明の黙示録」を連載中だが、小沢辞任の事態に緊急投稿する。
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先週10月31日と11月2日の福田首相と小沢代表の党首会談において、福田首相側から自民、民主両党がそれぞれの重要政策を実現するために連立政権を作りたい、との要請があった。福田首相の提案は、自衛隊の海外派遣に関する恒久法について、民主党の法案をそのまま受け入れる代わりに、年金問題などの国民の生活に関わる法案について両党で政策協議を開始したい、というものだった。
小沢氏は、その提案を党執行部に持ち帰ったが、この対応が政権交代を目指す民主党の代表としては不適切だった(その場で拒否を表明するべきだった)との批判を浴びた。
党首会談について、一時は「民主党の小沢氏側から要請があった」という情報が流れたが、これは事実ではないようだ。この会談に先立って、読売新聞グループ本社代表の渡辺恒雄氏が自民・民主の大連立を画策していたが、渡辺氏や日本テレビ取締役会議長氏家斉一郎氏、中曽根康弘元首相らによって党首会談がセットされたことは間違いない。そして、福田・小沢党首会談後の報道で、「小沢謀略説」を一面トップで流したのが読売新聞だ。渡辺氏らは、安倍前首相辞任後の後継総裁選でも、福田政権の誕生にも大きな役割を果たし、自民党政権の延命に必死になっているが、日本最大発行部数を誇る大新聞社が、政治色の強い脚色記事を書きたてていることは厳しく糾弾されるべきだろう。
さらに言えば、渡辺氏らの後ろにアメリカ政府の影も見え隠れする。「対テロ特措法」の期限切れで自衛隊の給油艦が任務を終了することについて、ゲーツ国防長官らホワイトハウスからは日米関係への影響は無い、とのメッセージが発せられる一方で、シーファー駐日大使はしつこく自衛隊の給油活動継続を要請し、日本が国際社会から批判を受ける可能性に触れて、日本の国内世論の誘導を謀ってきた。
アメリカの目的は、差し当たってインド洋での日本の給油と給水活動という貢献が、直接的にアメリカの軍事費負担軽減という国益に適うことと、米国従属の自民党に引き続き政権維持をして欲しい、ということだろう。
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小沢氏の記者会見での説明では、次の衆議院選挙で民主党が政権を取る見通しは明るくなく、今、自民党と政策協議の実績を作って政権担当能力を実証することが重要だ、という考えだったという。しかし、この説明はそのまま受け取ることはできない。
まず、年内あるいは年明け早々に衆議院解散総選挙があれば、民主党が多数議席を獲得する可能性が高いだろう。それゆえ、リベラルの立場というより自民党の保守本流に近い考え方を持つ民主党内の一部勢力は、選挙までは民主党に留まろう、という考えを固めている。
筆者は、以前から小沢氏の政治家としての最大目標は保守とリベラルの立場を明確にした二大政党制の実現だ、と見てきた。そのためには、政界再編がどうしても必要になる。さらに言うならば、小沢氏自身が保守の立場なのであって、リベラルの民主党代表というのは便宜上の仮の立場に過ぎない。
先の参議院選挙で民主党が圧勝した結果、次の衆議院選挙に向けて政界再編の動きが鈍くなってしまったのは、小沢氏にとってはある種の誤算だったのではないだろうか。安倍氏に代わって福田氏が首相になり挙党体制になったことで、自民党側の分裂の芽も萎んでしまった。小沢氏は、自らが起爆剤となって、この予想外の膠着状況を壊して、政界再編の動きを引き出そうとしている、と考えられる。
2000年の森内閣時代の「加藤の乱」以来、評論化然として政治の第一線から一歩も二歩も引いていた加藤紘一氏の活動が、最近活発になってきた。彼も、自民党内に留まらず、リベラルの勢力のリーダーになるべきプレーヤーなのだ。小沢氏に遠慮して、従順な副代表職を務めてきた菅直人氏も、これで自身の主張をはっきり言えるようになるだろう。郵政選挙の敗北で引責辞任した岡田克也元代表も復権してくるだろう。国民新党の亀井静香氏や、無所属の平沼赳夫氏はどう出るか。
小沢氏の代表辞任によって、政界再編劇の予鈴が鳴った、ということだ。
文明の黙示録 第二章(2) 【1963年 ダラス】 は、明日掲載します。
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